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かねてからピアノの録音において懸案であったマイクプリなのだけれども、先日『ISA TWO』を購入し、今日の録音ではじめて使ってみた。この『ISA TWO』はモノラルのマイクプリを二つ搭載していて、ピアノのステレオ録音の用途にかなっている。
もっとも、現状マイクは一本しかない。なので、当初は『ISA ONE』を購入するつもりでいたのだけれど、最近値上がりしたもよう。一方、同じタイミングで『ISA TWO』をセールしているところがあり、国外だがFedexの送料を勘定に入れてもそこそこ安く購入できる。
そのような経緯で『ISA TWO』を購入し、あとマイク一本と、スタンド、ケーブル一本買えば、ようやくピアノ録音のための標準的装備が調う。なにかRPGで武器防具をそろえる感じに似ている。
例えるなら、ムーンペタにたどり着いたはいいが、街を出るたびにマンドリルにぼこぼこにされるので必要にせまられ何とかして装備を整えようとしている感じ(FC版)。今回の購入は、「どうのつるぎ」から「くさりがま」というよりは、いっきに「はがねのつるぎ」を購入したぐらいにはなるだらう。
さて実際『ISA TWO』を使って録音してみて、DAWの出音を聴いた最初の印象は、そんなに劇的には変わらないかなという感じ。
これまで使ってきた実売七千円ぐらいのtube系のマイクプリでも、Wavesのssl等プラグインを駆使して、そこそこの音は出せるようになってきていたので、それと比べると、最終的な仕上がりのMixとしてはやはりそう易々と音が良くなるとは限らない。
またマイクプリの質が上がった分、マイクが一本しかないというピアノ録音に置ける不足分がやや強調される感もあり、『ISA TWO』を介したDAWの出音は、あと一本マイクが必要だという厳然とした事実をより高い精度で耳に伝える。
そういうわけで、DAWの出音としてはマイク一本の現状、そう劇的には変わらない、と言えなくもない。とはいえ、せっかくマイクプリを新調して、あまり変わり映えのしない音では困る。なので、今回はHigh Mediumあたりをブーストぎみにするなどして、リアルさを強調する方向で調整。「マイクプリ変えました!」との体裁を整えることとした。結果としてMP3にエンコした時点での音は、前のマイクプリと比べてだいぶ違う印象になる。
以前のtube系のマイクプリを使って録音した場合、MP3にエンコードする段階で、DAW(Studio One 2/192kHz32bit/64bitオーディオエンジン)の出音と比べて音の生々しさが失われることが多かったけれども、今回『ISA TWO』を使って録った音はその点、音の印象はそれほど大きくは変わらない傾向。VBR(q=0)でエンコードして170kbps程度。音の情報量は多くはないが、十分ちがいの分かる音にはなった。さしあたって今回の音源はこれで良しとし、明日以降はまたいろいろエフェクトをいじりつつ、現状の音を模索していきたいところ。
必要な装備が一式ととのうのはまた先の話。
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